冬のメダリスト(わたしのなかでは) [板橋界隈]
通勤途中,いつも決まった場所で車椅子の女の子とすれ違います。
雨の日も雨具を着込んで普段と同じように車椅子の車輪を回しています。
彼女もきっと通勤途中なのでしょう。
彼女と言葉を交わすことはありません。すれ違うときに心のなかで
「おはよう」とつぶやくだけです。
先日,東京で積雪がありました。道は雪が氷のように固まってしまい,
なかなか融けません。それでも彼女はいつものように通っています。
ただ,このときだけは車輪が滑り,なかなかうまく進まないようでした。
さすがに「頑張れ」とはつぶやけず。手伝おうと思い彼女に近づきました。
そのとき,彼女が笑顔であることに気が付きました。
困難に楽しく立ち向かうかのように。いや,立ち向かっているのではなく,
困難と仲良くしているのかもしれません。
そのとき,腰痛やケガと戦いながら,五輪でメダリストとなったスケート選手
(山本宏美さん)の言葉,「困難がわたしを強くしてくれた」を思い出しました。
いま,目の前にいる彼女もわたしのなかでは間違いなくメダリストです。
彼女はわたしが手伝うのを途中で止めたことにも気が付きません。
照れ笑いで通り過ぎ,つぶやきました。
「ありがとう,あなたがわたしを強くしてくれる」と。
いいお話です。 五体満足の人は恵まれすぎて、
大切なものを見失っているのかも知れませんね。
by たいへー (2006-02-02 18:21)
たいへーさん,ありがとうございます。
いつもその子とすれ違った日は「今日は頑張れる!」と
自分に言い聞かせて仕事に向かっています。
本来,こういうテーマを書くつもりはないブログなのですが
”この話しは書こう”そう思った次第です。
by MeToo (2006-02-02 18:52)
なんと! この作文が新聞に掲載されました(驚き)
by MeToo (2006-02-07 18:44)